シンポジウム

SYMPOSIUM

【開催報告】日本認知症予防学会共催シンポジウム

2021年6月26日(土)、パシフィコ横浜(神奈川県横浜市)にて催行された第10回日本認知症予防学会学術集会(会期:2021年6月24日~26日)において、一般社団法人日本認知症予防学会(ウェブサイト)、ならびに「食から認知機能について考える会」(以下、「当会」)、キリンホールディングス株式会社(ウェブサイト)の共催によるシンポジウム「食による認知機能改善を考える ~認知機能改善に繋がる食品成分の基礎、臨床研究の重要性~」を開催しました。
これは、当会が取り組む、「食」を通じた認知機能低下の抑制ならびに認知症の一次~三次予防の普及・啓発活動の一環として、「認知症予防に関連する諸分野の科学的研究の進歩発展をはかり、その成果を社会還元する」ことを目的とする日本認知症予防学会と、「“食と健康”の新たなよろこびを広げ、こころ豊かな社会の実現に貢献する」ことを経営理念に掲げるキリンホールディングス株式会社と共に、「食」と認知機能の関係性について科学的に検討することによって理解を深め、この分野における産学連携や普及・啓発活動の推進を図ることを目的としています。

当シンポジウムでは、当会の大内 尉義(虎の門病院 / 当会代表)と鳥羽 研二(東京都健康長寿医療センター)を座長に、「認知機能改善に繋がる食品成分の基礎、臨床研究の重要性」をテーマとした4つの講演とパネルディスカッションを行いました。

まず、当会代表の大内尉義より、「食と認知機能に関するエビデンスの重要性について」と題し、認知症なかでもアルツハイマー病の例を中心に、生活習慣が認知機能に与える影響についたこれまでの研究を振り返り、当会の設立趣意の紹介を行いました。


続いて、鈴木正彦先生(東京慈恵会医科大学 葛飾医療センター 脳神経内科)より、認知症予防の考え方についてのご講演を通じ、「食による認知機能の維持」の役割について言及いただきました。その中で、日本認知症予防学会の取り組みとして「エビデンス委員会」の役割とこれまでの活動のご紹介から、認知機能の維持に貢献する食の科学的根拠(エビデンス)を示すことの価値と重要性をご指摘いただきました。日本認知症学会の「エビデンス委員会」について詳しくはこちらを参照してください。


次に、大塚礼氏(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部)より、「日本人を対象とした食と認知機能に関する研究」と題し、これまで日本国内行われてきた疫学研究からの知見として、食と認知機能の関連についての科学的根拠をお示しいただきました。その中で、国立長寿医療研修センターが主導で実施している疫学研究「NILS-LSA」の結果として、食多様性スコアによる評価から「中高年期に様々な食品を摂取することは、認知機能低下リスクを抑制する」という重要な示唆をご紹介いただきました。


4題目として、阿野泰久氏(キリンホールディングス株式会社 R&D本部 キリン研究所)より、「食品による認知機能改善の可能性」と題し、認知機能改善への貢献に向けた食品企業としての役割と研究について紹介いただきました。中でも、日本認知症予防学会のエビデンス認定を受けた「βラクトペプチド」を事例として、食品を対象としたエビデンス創出の困難さと、商品化に向けたチャレンジの報告から、食品による認知機能改善について示唆をいただきました。


講演後はパネルディスカッションとして「認知症予防に食はどのような役割を果たすか」をテーマに、大内と鳥羽を座長に、鈴木先生、大塚氏、阿野氏をパネリストに迎え、当会事務局の司会進行のもと様々なディスカッションを行いました。活発な議論が繰り広げられる中で、日本の健康課題の中で認知機能を維持することの重要性や、食による貢献とその科学的根拠を持続的に作り出すことの価値、加えて習慣化のサポートとなるサービス開発の重要性など、将来に向けた多岐にわたる示唆が示されました。


【日本認知症予防学会共催シンポジウム概要】
タイトル:
日本認知症予防学会第10回学術集会 スポンサードシンポジウム2
食による認知機能改善を考える
~認知機能改善に繋がる食品成分の基礎、臨床研究の重要性~

開催日時:2021年6月26日(土) 9:50-11:50

開催場所:パシフィコ横浜 ノース 第1会場 ※オンライン同時開催

座長(敬称略):
・大内 尉義(虎の門病院 / 食から認知機能について考える会代表)
・鳥羽 研二(東京都健康長寿医療センター)

プログラム / 演者(登壇順・敬称略):
・食と認知機能に関するエビデンスの重要性について
 大内 尉義(虎の門病院)
・食と認知機能に関する日本認知症予防学会の取り組み
 鈴木 正彦(東京慈恵会医科大学 葛飾医療センター 脳神経内科)
・日本人を対象とした食と認知機能に関する研究 ~NILS-LSA研究成果を踏まえて~
 大塚 礼(国立長寿医療研究センター 老年学・社会科学研究センター 老化疫学研究部)
・食品による認知機能改善の可能性
 阿野 泰久(キリンホールディングス株式会社 R&D本部 キリン研究所)
・パネルディスカッション:認知症予防に食はどのような役割を果たすか
 座長:大内 尉義・鳥羽 研二
 パネリスト:鈴木 正彦・大塚 礼・阿野 泰久

※食から認知機能について考える会 メンバー


共催:
・第10回日本認知症予防学会学術集会
・日本認知症予防学会
・食から認知機能について考える会
・キリンホールディングス株式会社


【問い合わせ先】
「食から認知機能について考える会」事務局(Yoshi&Partners合同会社内)
info@yoshi-partners.com
※「@」を半角文字にしてから送信してください